なにかとクレームが多い世の中、みなさんはどうお過ごしでしょうか。
私は建設工事の元現場監督。
「道路が汚れている!」「うるさい!」「泥水がかかった!」など、クレームにいつもビクビクして仕事をしています。
普通なら「ごめんなさいね~」で済むような話でも、菓子折りを持ってクレーマーの自宅に伺い、深々と頭を下げる。関係者からは「なぜこのようなことが起きたのか、原因を追究して再発防止対策を考えろ」と言われる始末。
些細なクレームに大きく時間をとられ、ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回この記事では、クレームを言う人の心理やクレーム対応について考えたいと思います。
クレームを言いたい人の心理
どんなところにも、クレームを言いたい人は確かに存在します。
建設工事はいろいろな地域で仕事をしますが、必ずひとりはクレーマーがいます。「どこどこの〇〇さんには気をつけたほうがいい」「よく通る白色のプリウスはクレーマーだから」と、現場監督の間で情報共有がされるほどです。
クレーマーは現場近くの道路を通り、「車が汚れた!」と何回もクレームを入れてきます。「他にも道があるんだから通んなきゃいいのに」と思うのですが、こういう人に限って現場の近くの道路を走行します。
お店とかなら、よくクレームを言うくせに、よくお店を利用するお客さんがいたりすると思います。
「毎回クレームを言うぐらいなら、他のお店に行けばいいじゃん」と思いながらも、丁寧にクレーム対応しなくちゃいけないので疲れますよね。
こんなクレーマーたち、ただ単にクレームを言いたいだけなんです。
普通はクレームを言うのにも気が引けるし、多少のことなら時間がもったいないし「まっいっか」で終わる話。しかし、この人たちは終わらせないのです。
過去に「おいしい思い」をしている
おいしい思いってなに?って思いますよね。
過去に本当のクレーム(購入した商品が壊れていたなど)を入れたとき、お店や企業が新品の物に加えてお詫びで値引きしてくれたり、サービス券をくれたりと、思わぬ「おいしい思い」をしたことがある方も多いでしょう。
普通の人は「逆になんか悪いことしたな」と思い、その時で終わります。
しかし、クレーマーは「文句を言ったら得をする」と味をしめ、次から次へとクレームのネタを探し始めるのです。
因縁をつけて利益を得る。
やってることも、考えることも「まるでヤ〇ザ」そのものなのです。
自分は「偉い」と勘違いしている「クレーム中毒者」
クレーマーの多くは「自分は偉い!」と思っています。
「お客様は神様だ」が典型的な例であるように、お客さんは店員より偉い、地元の人間はよそ者より強いなど偏った考え方が定着しています。
この他にも、自分で事業をしている個人事業主や会社の役員連中は、自分は立派であると自負している傾向が強く、一般の会社員やお店の店員さんを見下している人が多くいるのも事実です。
このように、自分と他人を比べ「自分は偉い!」「自分のほうが立派だ!」と考えてるクレーマーは承認欲求が強く、いかに自分が優れているかを世に知らしめるために、クレームを言ったり、怒ったりして、自分を認めさせようとするのです。
クレームを言うたびに、他人がペコペコと頭を下げる。
クレーマーはこの光景が気持ちよく、承認欲求が満たされていく。もはやクレーム中毒者なのです。
クレーム対応の極意
クレーマーの心理は
- 得をしたい
- 認められたい
でしたね。では、クレーム対応はこの逆をいけばいいのです。
無の境地!お地蔵様になる
通常のクレームに対してサービスを行うことは、信用を得て「常連さん」になってもらうために有効です。
しかし、クレーマーに対しての過度な対応は、相手をつけ上がらせるだけで逆効果になります。
同じ人が何度もクレームを言ってくる場合は、自分の利益のためのクレーム、もはや「ゆすり」「たかり」と言っても過言ではありません。
クレーマーに対しては毅然とした対応でOKです。
商品に不都合がある場合には、購入した商品と新品を交換、または返品してもらった上で返金を行うなど、適切な対応をしましょう。間違っても、商品を返品してもらわずに、新品を渡す、返金をするなど、相手の得になることをしてはいけません。
クレーマーはあれこれ言ってくるかもしれませんが、心をお地蔵様にして機械的に処理していきましょう。
クレーマーのほとんどは「言いがかり」なので、あなたが気にする必要はありません。
クレーマーはお客様ではなく犯罪者
会社やお店は、「お客様からのクレームには真摯な対応を」と言います。
ただし、クレーマーはお客様ではありません。お店や従業員さん、ほかのお客さんに迷惑をかける「業務妨害罪」にあたり、犯罪者なのです。
なので、クレーマーへの対処法としては「出禁」が一番。
「出禁にしたら、お客さんが減っちゃうし、変な評判を立てられるのでは?」と考える会社やお店もあるかもしれませんが、そんなことはありません。
クレーマーという犯罪者がうろつくような会社やお店では従業員さんも疲弊するし、ほかのお客さんも寄り付かなくなりますよね。
会社やお店の対応としては、さっさと出禁にしてしまうのが一番効果的なのです。
しかし、これには会社やお店の意思をはっきりさせておかなければ、従業員さん個人の判断ではなかなかできないもの。
会社やお店のトップは、「従業員を一番に守る!」「ほかのお客さんの利益を守る!」という強い意思を示さなければなりません。
「NO」と言える社会を
この10年、15年ほどの間で、クレーマーと呼ばれる人たちが増えたような気がします。同じくして、心を病んでいる人も増えた気がします。
不景気に始まり、時代の急激な変化の波に飲み込まれ、不寛容社会を生み出した結果なのかもしれません。
今の日本は病気にかかっています。
些細な出来事に過剰な反応を示す。過剰に反応されないために、過度な対応を迫られる。常に誰かの責任を追求して、常に責任から逃れようとする。
「事なかれ主義」の日本人。
何ごとも起こらないように、波風を立てないように、自分に火の粉が降りかからないように、それが逆にストレスになり、疲弊する原因となっています。
クレーマーに対して過度な反応をするのも、事なかれ主義が生み出した「その場しのぎの嘘」ですよね。
もう自分に嘘をつくのはやめにしませんか。
クレーマーに対して「NO」とはっきり言える。クレーマーの期待には応えない。こんな当たり前の社会はいつ訪れるのでしょうか。
「情けは人のためならず」「因果応報」
人のために良い行いをすれば、巡り巡って自身に返ってくる。その反対もしかり。悪い行いをすれば、いつかは自分に返ってくる。
いま、私たちの手で負の連鎖を断ち切りませんか。そして、私たちの手で、幸せの連鎖を始めませんか。
<生き苦しい私たちへ>